美佳は、早速次の日の木曜日から家庭教師をはじめた。

　本来、姉の萌の家庭教師も行う予定であったが、毎日帰りが遅いようであり、また、本人が、家庭教師は夏休みからと言っているようで、当面は直樹のみを教える事になった。

　優香からは、直樹のテストが来週の木曜日にあるとの事であり、可能であれば、明日と来週の３日間は、毎日来て欲しいとの事であった。

　美佳も、片山が米国に旅立ってしまった事で、丁度、夜は空いており、優香の依頼を快諾した。

　直樹は、真面目でシャイな直樹に好感を持った。高額の家庭教師料をもらっていることもあり、直樹の成績を大きくあげていこうと考え始めた。

　４回目の家庭教師の時に、テスト範囲を聞いた美佳は、翌日に、直樹の教科書を購入しようと書店に向かった。すると、直樹と可愛らしい女性が書店で会話をしている。どうやら、同級生のようだ。美佳は、二人を追ってファーストフート店に入った。

　丁度、高い壁越しの後ろの席が空いており、ここなら気づかれない。美佳は、アップルパイとアイスコーヒーを頼み、二人の会話を盗み聞きすることにした。

　「直樹っ、先週も早く帰っちゃうし、今日も早く帰るってどういうこと？」

　「母さんが無理やり家庭教師を連れてきたんだよ。テストまでは毎日家庭教師なんだ。ちょっと、大変な感じ」

　「はぁ？。直樹はマザコンだからお母さんの言う事は絶対だもんね。まあ、あんな綺麗なお母さんがいたら、同級生なんかより、お母さんに目がいっちゃうのもわからなくもないけど。それに、なんか楽しそうじゃん。家庭教師は、大学生なんでしょ？男？女？どっちなの？」

　「・・・・・・・・。女」

　「えーーーっ。可愛いの？」

　「・・・・・・・。まあ」

　「・・・・・・・・。直樹が、女性の事可愛いって言うの初めてだよね。物凄く可愛いんでしょっ」

　「・・・・・・・・・」

　「アタシだって、高校入ってから何人も告白されてるし、そんなに魅力ないかな？どうせ、小柄なフェロモン出まくりの巨乳の大学生なんでしょ？お母さんも、お姉ちゃんも童顔で小柄で巨乳だもんね」

　「・・・・・・・・・」

　「アタシ、今日は直樹んち、行くわ。直樹のお母さんにお願いして、一緒に教えてもらう！！」

　「やめろよ。それに、勉強は３時間だから、お前だと飽きちゃうよ」

　「もう行くって決めたの！！！。さあ、行こっ！。今日は、学校終わるの早かったから、家庭教師来るまで直樹んちでゲームやってよう！」

　二人は、食事もそこそこに店を出て行った。

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　美佳は気を取り直して、テスト範囲をざっと読み、大まかな傾向を把握した。そして、最後の仕上げとして、間違えそうな部分を重点的に勉強させる事にした。

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　直樹の家に行くと、優香が出迎える。

　「あらっ、美佳ちゃん。今日はデートだったのかしら笑。可愛いし、フェロモンたっぷりね。アタシも、今日は、美佳ちゃんに、『可愛いっ』で言ってもらいたくて、気合入れたのよっ」

　「優香さん、昨日も素敵でしたけど、今日は、幼な可愛い感じですごくいいと思います。一緒に大学行っても違和感ないですよっ笑」

　優香は、体のラインがモロに出るキャミソールに、ショートパンツ姿であった。髪もアップにしており、普通の大学生と言われても、全くわからない。ウエストがきゅっとしまっているが、全体的にグラマラスでフェロモンが出まくっている。

　二人は、女子トークを楽しんだが、最後に優香から、「今日は、直樹の友達の女の子が来てるので、一緒に教えてくれるかしら？久美ちゃんっていう同級生なの。直樹の事気に入ってくれてるみたいでね。だから、美佳ちゃんと会ったら、女の戦いが勃発して楽しみだわ笑」とからかいながら、依頼をされた。

　美佳は、苦笑しながら、依頼を受けた。そして、ゆっくりと階段を上がっていく。

　「コンコンコン、直樹くん、入るわよ」

　美佳は、ノックせずに、いつもより、少し高いトーンで可愛げのある声で、コンコンコンと言い、直樹を訪ねることにした。

　「・・・・・・。どうぞ」

　中では、優香が用意したのか、折り畳みのローテーブルで仲良く並んで勉強する二人がいた。直樹は顔を上げていないが、久美は顔を上げ、美佳がどんな女性か見定めようとしている。

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　久美は、ぼそっと言い、「直樹っ、アタシ帰る」と言い、荷物をまとめていった。そして、棘のある口調で「失礼します」と言い、出て行った。

　直樹は、遅れて顔を上げたが、美佳の姿を見ると、いつもにも増して、顔を赤くしていく。

　（あらら、直樹くんには、刺激が強すぎたかなっ）

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　直樹は、美佳が近くに座るとわかると更に緊張したようだ。今日は、シャワーを浴びたようでＴシャツにスウェット地のハーフパンツを履いている。

　「うふふっ。こうやって、隣同士だと、お姉ちゃんが弟に勉強教えるみたいだね笑」

　直樹は特に反応しない。美佳は構わず、テスト勉強の為の題材を説明し、直樹に勉強をさせる。今日は最後の仕上げである。美佳は、５教科まんべんなく問題を出した。

　直樹の良いところは、集中力だ。美佳が来た時には、チラチラ美佳を見ていたが、一度勉強を始めるとしっかりとスイッチが入る。

　勉強に集中する横顔は、端正であり、思わず引き込まれてしまう。

　あっと言う間に、１時間半のテストが終了した。美佳は、直樹の隣で答え合わせをしていく。そして、間違えた部分を丁寧に教えるのだ。

　「直樹くん、明日からテストだね。前回が400点で20位だったから、ランクアップしていこうね。きっといい成績がとれるよっ」

　直樹は、はにかんでいる。

　丁度、八時になり、優香が、紅茶とプリンを持ってきた。

　「わぁ、プリン、アタシ大好物なんですっ」

　「直樹がねっ、美佳ちゃんがプリン好きだから買っといてくれって言ってたのよ笑。いっちょまえに、リクエストなんかしちゃってね笑」

　「それでね。期末テストをいい成績とって、美佳ちゃんに喜んでもらうんだって」

　「・・・・・・・・。母さん、出てってくれよ」

　「ハイハイっ。可愛い先生で良かったね笑。直樹が頑張ってくれたら、母さん、うれしいわっ」

　優香は、直樹が可愛いのだろう。満面の笑みを直樹に向け、部屋を出て行った。

　直樹は、無言でプリンを食べている。どうやら、優香との会話を美佳にバラされて、恥ずかしいようだ。

　「直樹くん、アタシ、直樹くんが頑張ってくれるって言ってくれてうれしいわっ。テストがいい成績だったら、なんかプレゼントしてあげるっ」

　「・・・・・・・・。一番っ」

　「一番？別に一番じゃなくても、頑張ってくれたらうれしいよっ」

　「一番とれたら、先生とデートしたい。・・・・・・」

　「アハハっ。一番とれたら、デートでも何でもしてあげるよっ。一番って、高い目標掲げるのがすごいよっ。本当にとれたら、朝から晩まで付き合ってあげるよ笑。でも、そんなんでいいの？」

　直樹は、うれしそうに頷く。少し、せつなそうな顔が、母性をくすぐるのだ。

　美佳は直樹が自分に好意を持っている事に気づいていた。それだけでなく、直樹の肉棒が硬直していることにも気付いていたが、口に出す事はしなかった。

　「ウフフっ。直樹くん、明日のテストのおまじないしてあげるから、目つぶって」

　てっきりキスされると期待して、じっと目をつぶる直樹。

　美佳は悪戯心満載で、直樹の後頭部をつかむと、自身の双丘を顔にぐっと押し当てるのだ。

　「・・・・・・・・！」

　「ウフフっ。女の子のおっぱいをじろじろ見てると、嫌われちゃうよっ笑。女の子は、心を見るんだよっ、直樹くんっ。」

　直樹の顔にグリグリと胸を押し付けて、それから、離れる。

　直樹は、顔を真っ赤にさせて、美佳の顔をぼうっと見ている。そして、勢いのまま言うのだ。

　「俺、１番とったら、先生の恋人になりたいっ」

調子が良ければ、今日、もう一回投稿するかもしれません。